2010年11月7日日曜日

前田慶次「無苦庵記」

「抑も此の無苦庵は孝を謹むべき親もなければ憐むべき子も無し。
こころは墨に染ねども、髪結がむづかしさに、つむりを剃り、足の駕籠かき小者やとはず。
七年の病なければ三年の蓬も用いず。
雲無心にして岫を出るもまたをかし。
詩歌に心なければ月花も苦にならず。
寝たき時は昼も寝、起きたき時は夜も起る。
九品蓮台に至らんと思う欲心なければ、八幡地獄におつべき罪もなし。
生きるだけ生きたらば、死ぬるでもあらうかとおもふ。」

なんのために生きる?

遊びをせんとや生まれけむ
戯れせんとや生まれけん

~梁塵秘抄~